iPhone 15 Pro カメラレビュー あれ?あまり変わってない?

カメラが素晴らしいという噂のiPhone 15シリーズですが、そもそもすごい!とかってよく紹介されてるLog撮影とかしますか??って話なんですよね
一部の写真好きとか映像クリエイターが大絶賛するのはわかるのですが、普通のスマホユーザーからすると使わない機能ばかりでユーザーの属性によってかなり評価が変わるのではないかと思っています
もちろん機能アップもしてますし性能も上がっているのですが、ごく普通に使っている分にはiPhone 14 Proとほぼ変わりません

iPhone 14 Proとの比較を交えて、同じ設定だとどの程度画質が変わったのか、また旧機種でも使えるiOS17での新機能も含めて変わったところがどう素晴らしいのかというポイントをレビューしていきたいと思います

iPhone 14 Proとの比較

iPhone 14 Proとの比較をご覧いただきましょう
撮影はiPhoneを2台重ねて無理やり似た画角となるように持って、できるだけ時間差なくシャッターを押すように撮りました
このため、しっかり水平が取れていなかったり、2枚の画像のずれが出てしまっていますがご了承ください。

右がiPhone 15 Proです。

色味

まず色味に関してですが、夜間撮影で看板の写り方を見るとHDRっぽさが増している気がします
白が白くないよ…

iPhone 14 Pro 夜景看板
iPhone 15 Pro 夜景看板

白飛びしないのは良いのかもしれませんが、お祭りの提灯はだいぶ後から色を戻しているような雰囲気になってしまっており、個人的にはちょっと不自然かなと思うシーンもあります

iPhone 14 Pro 提灯
iPhone 15 Pro 提灯

逆にすごい!と思ったのはこちら

iPhone 14 Pro 看板
iPhone 15 Pro 看板

まねきねこの看板の赤色の文字がしっかりと再現されています
ずっと写真を撮っている人からすると白飛びとか色飽和しないのは違和感があるのですが、かなりデジタル処理による再現が強くなっているようです

改善されたというフレア・ゴーストの出方

続いて光源を画面に入れた時のフレアやゴーストの出方です
iPhone 15 Proではコーティングが変わってフレアが出にくくなったという話だったのですが、残念ながらそんなことはありませんでした

iPhone 14 Pro 光源によるゴースト
iPhone 15 Pro 光源によるゴースト

というのも、iPhone 14 Proのレビューの際にお話ししたとおりでiPhone 14 Proからかなりマシになっていたのを確認しており、正直iPhone 14 Proからは変化がないように思います

iPhone 14 Pro 光源によるゴーストが出ないケース
iPhone 15 Pro 光源によるゴーストが出ないケース

絞りによる光条っぽいのは相変わらず派手に出ています。

iPhone 15 Pro デジタル処理での光条?

iOS 17での新機能

新機能関連ですが、まずはiPhone 15 ProではなくiOS 17からの新機能です

カメラ解像度 48MP撮影がHEIFでも可能に

これまで48MPセンサーはApple ProRAWでしか使用できませんでしたが、HEIFで保存できる設定が追加されました
ただ、わかる人だけ使ってねというスタンスは変わらないようで、ProRAWと解像度コントロールをONにして、プロデフォルトというところからHEIFを選ぶ必要があります。

iOS17 48MP HEIF対応

動画でのホワイトバランスロック

なんで今までないんだろうとずっと思っていた動画でのホワイトバランスロックが追加されました

iOS17 動画のホワイトバランスロック対応

iPhoneで動画を撮っていて色味がころころ変わってしまったという経験はないでしょうか
ホワイトバランスをロックをONにしておくことで、録画をスタートすると色味を固定してくれます
もちろん録画したまま室内から外に出たりと環境が変わると色味が固定されているため追随してくれないのですが、その際は一度録画を止めて再度撮り直すということで、クリップ1本での色の変化がなくなります。
これにより、他のカメラとの組み合わせで使う際に色を合わせやすくなりました

iPhone 15 Proでの新機能

iPhone 15 Proの新機能について触れていきたいと思います

ズームの挙動と画角切り替え

解像度はiPhone 14 Proまでの12MPに加え24MPモードというのができました
また個人的に気になっていたのは、写真好きには嬉しい24mm, 28mm, 35mmの画角切り替え機能です
まさかデジタルズームじゃないよなと思って真っ先に確認しました

iPhone 15 Pro 画角切り替え

まずこの機能はなぜか24MPモードでしか使えないようです

iPhone 15 Pro 画角切り替え設定

ということは?と計算してみると、48MPセンサー全体を使って24mmのところを35mm相当までクロップすると24MPになります
これはデジタルズームで拡大することはなく35mmで物理的なピクセルにちょうど合うサイズ、28mmと24mmでは24MPまで縮小しているというイメージとなります

つまり、デジタルズームでない分、綺麗に撮れるということです

試しにApple ProRAWで撮影してみると24mmは48MPで、28mmは35MP、35mmは24MPで出力されました

iPhone 15 Pro ProRAWでの解像度

後からポートレート

後からポートレートにできる機能が加わりました
これまでポートレートモードだと、画角を合わせたり被写体までの距離を合わせたりと何かと面倒なことが多く、最初は面白がって使っていたもののだんだん使わなくなってしまいました
これが、普通の写真モードでも人や動物などの被写体を認識すると画面にfマークが表示されて深度情報を記録してくれるようになり、後から編集でポートレート写真として出力することができます

自撮りで見苦しくてすみません。
こういう時のために誰かモデルさんお願いしたいです。。

iPhone 15 Pro 後からポートレートにできる機能

この機能、LiDARがある背面だけかと思ったらフロントカメラでも使用できました。
また、写真そのものに深度情報を持っているということは、もしかして他の端末でも後からポートレートに編集できるのでは?とiPadOS 17搭載のiPad miniにAirDropで送ってみたところ、予想通りポートレートへの編集が出てきました

iPhone 15 Proで撮影した写真をiPadOS 17で編集

ただし、iPhone側で一度ポートレート設定した写真をAirDropで送っても、ポートレートを解除することはできませんでした
深度情報のデータ自体は持ったままのはずですしfマーク自体は出ていたので不具合かもしれません

動画でのApple ProResアップデート

動画のApple ProRes撮影、しかもLog撮影ができるようになりました
これは一部の動画クリエイターのみが喜ぶ機能なので詳しい解説はしませんが、編集を前提としてかなりダイナミックレンジの広い映像を撮ることができます。
かなり容量も食いますが、かなり高画質で録画できるため、映像クリエイターのかたには本当におすすめです。

このモードを使用するかたは、何も考えず最大容量のモデルを購入しましょう。

容量の問題等もあり普通に使う分にはApple ProResはOFFにしておくのがお勧めです。
私は4K 60pを使うため設定画面の方でOFFにしておき、高画質な映像が必要な場合は別アプリを使用しています。

総評

色味に関してはよりHDRっぽさが強くなり好みが分かれそうというのと、フレア、ゴーストについてはiPhone 14 Proとそれほど変わりませんでした。
おそらくスマホの画面で綺麗に見せるためかと思いますが、HEIFやJPGだとシャープネスが強めにかかってしまうのもこれまで同様です。
iPhone 15 Proのカメラは機能面ではiPhone 14 Proから大きく変わっているものの、その内容は一部の写真好きや動画クリエイター向けのものであり、一般ユーザーからはたいして変わらないと言って良いと思います。