Eマウント用マウントアダプター考察

Eマウント用マウントアダプター考察

SONYのミラーレスカメラであるα7およびα9、α4桁シリーズ(APS-C)、NEXシリーズでは、マウントアダプターを介して様々なレンズが使用できることが有名ですが、その中でも電子制御系のマウントアダプターについての考察です。

電子制御系のマウントアダプターは、個人的にはEFマウント(CANONレンズ)用のものを3本持っています。

  1. 今やスタンダードとなりつつあるシグマのMC11
  2. 旧ボディでも高速のAFを実現したTECHARTのEOS-NEX III(DEO Saker Falcon)
  3. STOKのかなり初期の頃のアダプター(噂ではCommliteのアダプターと中身は同じとのこと)

マウントアダプターの基本的な動作の仕組み

この手のアダプターを使用したことがあるかたであればお分りいただけると思いますが、だいたいEXIFに書き出されるレンズ情報が「DT ○mm fx.x」のようにDTレンズとしてボディに伝えられています。
つまり、Aマウントレンズとして認識されているのです。(後述しますが、上記アダプターの場合は一部の使い方を除いてです)

ここまでで勘の良いかたならピンとくるかもしれません。

MC11はボディによって挙動が違う、旧ボディだとAFが遅いというのはこれが原因です。
α7には適用されていませんが、α7IIのファームVer.2.00 (2015-11-18公開)の変更点に「LA-EA3(LA-EA1)において位相差AFに対応しました。」という項目があります。
LA-EA3は本体のAFを使うタイプのAマウントレンズ用マウントアダプターですので、これと同じ仕組みで動いているということです。
なので、これに対応していないα7の初期シリーズではAFが遅い!合わない!という現象が普通に起こります。

もうお気づきですか?
すごいのはシグマじゃなくてSONYじゃん!ということです。
…と言い切ってしまいましたが、レンズメーカーという立場でMC11を出してくるシグマも十分すごいですし、後で書きますがMC11とシグマ製正式対応レンズの組み合わせとかかなり使えます。

注意!動作しなくなる機能もあります

もう少し突っ込んだ話をしましょう。
α7シリーズでは、Aマウントレンズを使った場合、いろいろと機能に制限が出ます。(他のシリーズは未確認)
例えば一番困るのは、せっかくのミラーレスだし良い機能なので使いたい瞳AFが動作しません。
このあたりは、今後SONYさんに頑張っていただきたいところです。

ただし、MC11のすごいところがここからです。
正式に対応したシグマ製のArtレンズ等があります。
正式対応ってなんだ?というところですが、どうやらEマウントレンズとしての動作をしているようです。
普通に瞳AFも使えます。

個人的にはEOS 5D Mark IVも所有しているので、このArtレンズはとても重宝しています。
当初はキヤノン用に購入したのですが、MC11を使うとEマウントレンズとしてαの全機能が使えます。
しかも手振れ補正が無いレンズたちもα7IIならボディ内手振れ補正が使えるという、とても便利な組み合わせです。
大きく重いのだけなんとかしてほしいものですが、そこは画質とのトレードオフでしょうね。(Artレンズの場合は仕方ないと割り切るしかありません)

旧ボディでも高速のAFを実現ってどういうこと

ここからはTECHARTのEOS-NEX III(DEO Saker Falcon)の話です。
このマウントアダプターにはモード切り替えがあります。
推奨モードは、α7ではFnモードで、α7IIではNorモードです。

旧ボディのα7ではFnモードで高速AFが使えるということは…
そうです。このモード、Eマウントをエミュレートした動きになっているようです。
Norモードより不安定な部分もありますが、α7IIでもFnモードにすることで瞳AFなどの機能もちゃんと使えます。
(レンズとの相性があって、不安定になりまともにAFが使えないレンズ等もありますが…)

MC11を手に入れてα7をα7IIに買い替えた時に、もうTECHARTのEOS-NEX IIIは手放しても良いかなと思っていたのですが、自分の中でこれらの動作方式を理解した今、手放さなくて良かったと思っています。
相性問題の大きいアダプターではありますが、とても便利に使用できています。

ということで、少しでもこれからアダプターを購入されるかたの参考になれば幸いです。
最後にお約束の一言ですが、マウントアダプター類は各メーカーが独自に開発したものですので、予期せぬ動きをすることもあります。くれぐれも自己責任でご利用ください。